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トリトコブログ

日々のあれこれを、オワ丸とクロミチが大体交代で更新。

何が変わるという事もないけど

クロミチです、実家の祖父の七回忌で帰省してきました。七回忌の話は特にないので、今回は母方の祖母に会ってきた話です。
過去何回か、ここでも記事にしてきたうちのばあちゃん。ごく普通のばあちゃんだったのですが、デイサービスでもらった塗り絵ですさまじい才能を発揮し、自分とオワ丸さんを驚愕させたあのばあちゃんです。昔の写真、小さいのしかなかったけど、90歳を目前にこのセンス。
syasin369.jpg
ここには書かなかったけど、ばあちゃんは2年前から施設に入っていて。帰省で会う度に、手押し車を押すようになり、あんなにすさまじいセンスのあった塗り絵がおっくうになり。。。加齢という言葉が、残酷な位一気に加速していくのを痛感していました。そのばあちゃんが10月の末にトイレに行こうとして転倒し、大腿骨を折ったと知らせが。10月末~11月の頭は正直不安でたまらなく、不安定な心持ちの日々でしたね。手術は成功したものの以前のように自分で歩き回るのが困難になったと聞き、もしかしたらこれが最後の機会になるとも思い、覚悟を決めて自分のイラスト本を持って会いに行く事にしました。

施設に行くと、ばあちゃんはベッドで寝ていました。前回はかろうじて車いす移動出来てたのに、今は仰向けで手と頭だけ少し動かせるだけの様で(動く気がないのかも)、たとえるならミレイの「オフィーリア」のような状態でした。話す言葉も、聞き取るのが困難な位で、ハキハキしゃべっていたばあちゃんが嘘のように、おちょぼ口でモゴモゴ喋るのがやっとといった感じ。でも話してたらばあちゃんは意識はハッキリしているのが分かったし、段々言ってる事が理解できるようになってきたので、2人きりで話をさせてほしい、と父に退室してもらい(※母は習字教室で不在だった)、自分のイラスト本「赤のまにまに」「青のかたわら」をばあちゃんに見てもらいました。

ばあちゃん「・・・これおまん(お前)が描いたんか」
クロミチ「そうさね、ペンで描いてマジックで塗ったんだよ」
ばあちゃんは「すごい・・・」とか「はぁー・・・」とか言いながら、食い入るように真剣に絵を見てくれました。絵を描いてる事を父や母には内緒にしているんだと言ったら「何でね?」と。

ク「何てぇかさ・・・どうせ『何だねこれ?』とか『これどういう意味ね?』とかばっかり言って、説明したところで『よく分からん』て言われっさね、おれそれ嫌なんさ」
ば「そんな事言うんかね、そんな風に」
ク「言うさ」
ば「まぁなぁ、あの世代はこういうもんをばわからんて言うかもしれんなぁ」

思いっきり笑ってしまった、ばあちゃんの言う「あの世代」とはいわゆる団塊の世代の事でしょうが、ばあちゃんも父母世代の、あのど~しようもない感じをそんな風に思ってたとは!

ば「(父母の世代の人に)解るようなもん描かんだかね?」
ク「これは趣味で描いたやつだすけ、解ってもらおうと無理して描きたくねぇんだ。描きたい時だけ描いて、好きなもんをばおれの好きに描きたい」
ばあちゃんは自分を見て少し黙った後「いいこて」と言いました。標準語なら「それならそれでいいさ」、といった辺りの意味になるでしょうか。嬉しい気持ちとありがたい気持ちで泣きそうになったけど、何とか我慢してその後も一緒に絵を見ました。部屋を出る時、ばあちゃんにバイバイ、また来るすけね、風邪ひくなねと言ったら、さっきまでオフィーリアみたいに手先しか動かしてなかったばあちゃんが、ベッドで仰向けのまま右手を肩から真上に突き上げて「バイバイね」と手を振ってくれました。カッコよすぎか!

昔は描いた絵を得意になって父や母に見せてたのに、いつからかなぁ、それをやらなくなったのは。絵を描くのは好きなのに、それを誰かに見せるのがすさまじくストレスになったのは。覚えてないけど少しずつ降り積もった小さなトラウマが溢れた瞬間があったんだろうなぁと思います。妙な事にオワ丸さんも一緒の症状で、家族や人前で絵を描いたりとかが大嫌いという。コミティアみたいにイベントで完成品を見てもらうのは平気なんですけどね、不思議です。でもばあちゃんの塗り絵を見てからかなぁ、ばあちゃんだけには自分の絵を見てほしい気持ちがずっとあったんですよね。今回のばあちゃんとの話をオワ丸さんにしたら、オワ丸さんは肺炎の咳で声がガラガラなのに、ガラガラの声でいつまでも大笑いしてました。何かが私らの中で、救われたような気がしたのかもしれません。

余談になるけど、本当はばあちゃんに画集の中でどの絵が好き?と聞こうと思ってたんですが、ばあちゃんの体力も気になったのでやめました。ばあちゃんは本を持つのもやっとだったから、自分が本を持ち、ばあちゃんがページをめくる素振りをした所で自分がページをめくってやってたのですが、一番長い間見ていた絵がありました。

「じごくもん」という絵。この絵はクロミチの祖父、つまりばあちゃんの旦那が亡くなった時、「おいちゃん(祖父)はこんな門をくぐってあの世に行くのかなぁ」と、悲しさと寂しさの気持ちでいっぱいになりながら描いた絵です。ばあちゃんには何の説明もしてないのに、結構長い事絵を見てました。単純に細かい絵だから「なんだコレ?」と凝視してただけかもですが(苦笑)。
もうひとつ、おいちゃん(祖父)のタコフネ」の話があるんですが、長くなったのでまた今度にします。
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